著者は10代〜20代に暇すぎて対話に多くの時間を費やしたという。この本はその成果発表というような意味合いもあるようだ。
意味や感情をやり取りする行為、コミュニケーション。
普段みんな何気なく行っていることであるが、この本では、あらためてそれはどういうものなのか、という整理からはじまり、理想のコミュニケーションとは、それはどうすれば実現できるのか、といったことまで広くまとめている。
ただ一言コミュニケーションといっても、それを行う者が多様であるし、言語やジェスチャーというツールも多様、文化や環境で使い方も多様、…奥の深さは計り知れない。この本は、単純にコミュニケーション力のアップに役立つほか、コミュニケーション自体の奥深さに気付かせてくれる。
著者はいろんなノウハウを“技化”するのが得意であるが、このコミュニケーション力に関しても技が細分化されていて、文脈力、要約力、質問力、コメント力、などと技のオンパレードだ。しかし、こうして技として輪郭を与えることにより、物事の本質を見るのに役立つ概念を成立させることに成功している。これに沿うことによって、レベルアップの目標を立てるにも具体的で明確なものとなる。使える先人の技は何でも使って、有意義に残り時間を過ごしたいものだ。